シンクロ

 深夜の三ノ宮を歩く。若者たちが音楽を流し、ダンスの練習をしている。閉店した服飾店のショー・ウィンドーに彼ら、彼女らの姿が映っている。
 気づくと歩調が彼ら、彼女らの流すダンス・ミュージックと同期している。
 なんとなく気恥ずかしくなり、秋口はわざと自分の歩くペースを乱す。そそくさと彼ら、彼女らのうしろを通りすぎる。