おおもりめし

 西元町にある大盛りで有名な食堂に行く。チキンカツカレーを注文する。店のお姉さんが「ミニでも多いですけど、並でいいですか?」と訊いてくれる。
「いいですよ」とこたえる。せっかく大盛りで有名な店に来たのだ、その巨大な普通サイズとやらを見てやろうじゃないか!
 ――と思っていたのだが、出てきた代物を見て、一瞬で後悔する。
 目の錯覚か、と思えるほど巨大な容器にカレー入っている。
 2割も食べないうちに満腹となる。泣きそうになる。困ったことに、店のお姉さんはかなりかわいい。できれば残したくない。あのお姉さんに「うわださっ。せっかくうちが警告したったのに、わざわざ普通サイズ注文して残すやて。きっしょ!」とか思われるぐらいなら、死んだほうがましだ。
 そんなわけで、秋口は「まずはチキンカツから撃破だ。後半に油モノはきつい!」などと戦術を練りつつ、なんとか完食する。
 翌日まで水も飲めない。