昔、心は東京人だった

街で「お好み焼き定食680円」と書かれた看板を見かける。「そういえば俺は大阪出身だが、一度もお好み焼き定食を食べたことがないな。これまでは『ご飯とお好み焼きを一緒に食べるとか、阿呆とちゃうか。どっちも炭水化物やんけ』と思っていたが、挑戦してみるのも悪くないな」と考え、ぶらりと入り、1人で鉄板の前に座ってみる。ご飯とお好み焼きを交互に食らう。
ンーマイッ!!!
三十数年間の常識があっけなく覆る。
「し、信じられん……お好み焼き定食などという代物がうまいわけがない。今回の店が特別なだけだ!」と思い、以降、一週間の間に4軒の店でお好み焼き定食を注文する。
気づけばただのマニア。