言葉の壁

 元日の午前0時半、ツタヤへDVDを返しにいく。街にはテンションの上がった若者が群れている。5、6人の集団が多い。そうした集団の一員が、100メートルほど離れた場所を歩く別の集団に「あけおめ!」と呼びかける。だが呼びかけられた側は反応しない。最初の集団が「んだよ、ノリ悪ぃな」とぼやく。一員が再び「あけおめ!」と大声で叫ぶ。だがやはり別の集団は応じない。最初の集団は不機嫌になり、舌打ちをし、その場を去っていく。
 秋口は歩きつづける。呼びかけを無視した側の集団の横を通りかかる。
 全員、明らかに中国語と思われる言語を話している。
 そら通じんわな、と思う。